素焼きと焼き締め

「素焼き」と「焼きしめ」もよく混同されます。

粘土は形を作って、乾燥させると、そのまま固くなりますが、水につけると一気に型崩れをします。ところが、乾燥したものを、一度、800℃程度で焼くと、水につけても崩れなくなります。これが素焼きの状態です。吸水性がとても高いので、素焼きをして釉薬をかけると、陶器の表面に釉薬が定着します。それを1200℃~1300℃の高温で焼くことで、食器として使っているような陶器になるわけです。

焼き締めというのは、釉薬をかけずに1200℃~1300℃の高温で焼いたもので、800℃程度で焼いた素焼きとは全く別物なんですね。渋い和食器によくあるような、素地をそのまま生かしたのは焼き締めの作品です。

この写真の湯呑なら、下の黒い部分は焼き締めの状態です。釉薬をかけていません。

結晶釉 ゆのみ

釉薬がかかっているものは、生地の上にガラス質の層があるので、生地に浸み込むことが少ないのですが、焼き締めの場合は、ガラス質のコーティングがない分、浸み込みやすくなっています。例えば、備前焼の渋い焼き締めのお皿などに、油ものをそのままのせたりすると、油が浸み込んでシミになります。お醤油などの汁気が多いものをのせる場合は、一度、水にくぐらせて、それから盛り付けると、シミ防止になります。ちょっとした、ひと手間が大事ですね。

2016年11月25日